サバのみそ煮のいうとおり
2012-03-15


禺画像]
小川美篤さんの「サバのみそ煮のいうとおり」(朝日学生出版社)。
第1回朝日学生新聞児童文学賞の最終選考で大賞を争った作品が、小学生新聞に連載され、このたび発刊となります。
連載中から子どもたちの人気を集めたわけが、読んでみてよくわかりました。
舞台は、とある子ども病院。
主人公たちは、毎朝自分が生きていることを確かめずにいられない、切実な日々を生きています。
けれども、ユーモアを交え、決してじめじめせずに、たくましさとなんともいえない生きることの切なさに、ほろりとさせられてしまいます。
看護師の青木さんが、言葉では突き放しながら、主人公の明彦を、悲しみごとぎゅっと抱きしめるシーンが、大好きです。
全体に流れるのは、小川さんの優しいまなざしです。
そして、小川さんでなければ描けなかった世界観が、そこにあると思うのです。
小川さんとは、森林のまち童話賞の授賞式でお会いしました。
あの時、大賞をとられて児童文学界にデビューされた小川さんを追いかけ、私も書き続けてきました。
バボパさん、おめでとうございます。
そして、すてきなご本を書いてくださって、ありがとうございます!

コメント(全6件)


記事を書く
powered by ASAHIネット