「晩御飯、とっといて・・・」

そう言い残して、そうべえが、夜の会合へ出掛けていった。

今晩は、がま姉さん直伝のえびマヨ。一尾48円の魅力的な値段で、一人当たりの分配数もグンとアップ！えびの背開きに、マヨネーズと粉チーズを乗せて、グリルで焦げ目がつくほど焼く。

皆でおいしくいただいて、そうべえの分を、皿に取り分ける。

大き目の丸皿に、えびマヨ3尾、青菜のおひたし、春キャベツの炒め物をのせ、ラップで覆う。切りコンブののいため煮は、タッパーにつめる。

母屋の片づけを終わり、離れに引き上げる。そうべえの晩御飯も、タッパーの上に皿をのせ、ぎりぎり手に抱えた。

無理な姿勢のまま、玄関で靴に履き替える。

「あ！」と思った瞬間、皿が宙を舞った。

ガチャン！

玄関に落ちた皿は粉々だ。おかずは？と思ってみると、玄関マットの上で奇跡的に無傷！

上を覆っていたラップの上に、行儀良く並んでいる。

状況を分析する。すなわち、皿が空中で一回転して、ラップを下におかずが落下。そのわきを皿が滑り落ちて玄関に激突破壊した模様。

娘が持ってきた新しい皿に、ラップのままそくっとおかずを移動して、事なきを得た。

帰宅したそうべえは、「うまい！」とご満悦。

うまいでしょうとも！「奇跡」の隠し味がついているんだもの！